「901」
著者:雨守



-1-

 九月一日。
 夢のような夏休みは終わりを告げ、学生達は再び学校へと通う。
 この日は彼らにとって一年で一番憂鬱な日のなのだ。
 今年の夏は例年の記録を遥かに上回る気温の高さで、外は地獄の様だ。
 この日も気温は三十度を楽に越えていた。

「あっちー…」
 大石孝治はふらふらとした足取りで中学校への道を歩く。
 今は夏服なので上は半袖だが、長ズボンの中は汗びっしょりだ。
 この時ばかりは自慢の長いストレートな黒髪が邪魔で仕方なく思えた。
「おう、孝治」
 後から低い声が聞こえる。
 孝治が振り返ると、そこには色黒で筋肉と言う名の鎧を纏ったスポーツ青年、石丸明雄がいた。
「おす、久しぶり」
 孝治は低いトーンで返す。
 ただでさえ暑さにやられて弱っているところ、明雄の登場によってさらに空気が熱くなって感じられたのだ。
 明雄というのは孝治の友人であり、柔道部の期待の星。
 今二人は中学二年だが一年の頃から仲が良く、付き合いの長い友人の一人である。
「お、孝治。咲子ちゃんは?」
 明雄は何気なく聞く。
 咲子と言うのは孝治の幼馴染で、同級生でもある天木咲子の事である。
 いつも孝治と一緒に登校しているのが今日は姿が見当たらないから、明雄が不思議に思ったのだ。
しかしその質問がスイッチとなり、孝治の表情は暗くなる。
「いや…それが…その」
 孝治は答えにつまりながら頭をかきむしる。
「お前らまさか…、あのまま仲直りしてねえの!?」
 明雄の問いに孝治は気まずくなって視線をそらす。
 つまりそれが「YES」という答えだった。
「はぁ…何やってんだよお前らなぁ」
 明雄は呆れて脱力する。
 それもそのはずだ。
 孝治と咲子が喧嘩をしたのは夏休み前の最後の日、つまり今から約一ヶ月半も前の事になる。
 それもほんの些細な事が原因の喧嘩だったのだ。
「お前ら夏休みは?隣同士の家に住んでて一度も会わなかったの?」
 明雄が心配そうな声で聞く。
 顔に似合わず意外と繊細なところがある男なのだ。
「咲子のやつ、休みに入るとすぐに祖父ちゃん家に行っちゃってさ。で、帰ってきた頃には今度は俺が部活の合宿に行っちゃってさ…、そんなこんなで結局一度も…」
 孝治は苦笑する。
「やれやれ…」
 明雄は再度呆れ顔をする。
「それでも全く会える機会が無かったわけじゃねえだろ?」
 明雄の言葉に、孝治は返す言葉が見つからない。
 そして明雄もそんな孝治の困り顔を見て気を使ったのか、それ以上キツイ事を言おうとはしなかった。
「あ、孝治ワリィ。俺ちょっと部室寄るから先学校行くわ」
 ふと明雄は思い出して言う。
「あ、ああ…」
「じゃ、また後でな」
 そう言い残し明雄は軽く手を振ると、孝治の前を走り去っていった。
 そしてその後姿を見ながら、孝治は何だか後ろめたさを感じていた。
「ふぅ…」
 思わずため息がこぼれる。

 
 確かに明雄の言う通り、咲子と会える機会が全く無かったわけではない。
 むしろ避けていたのだ。
「やっぱ駄目だよな…、このままじゃ」 
 孝治はゆっくりと歩きながらつぶやく。
 謝ろうとはとは何度もしたのだが、どうも変に意地を張っている自分がいた。
 恐らく咲子の方も同じ気持ちでいると思う。
 幼馴染で相手の事を何でも知っているからこそ、咲子に対してはどうも素直になれない。
 孝治は今年の夏休み、ただそんな事を悩みながら何となく過ごしてきた。
「やっぱり学校で会ったら謝ろう」
 孝治はようやく決意を固めた。
 そしてそうと決まれば、と言わんばかりに学校への通学路を進む足を急がせた。

 さらにしばらく歩くと後ろの方から騒がしい足音が聞こえる。
「大石君!」
 聞きなれない声に名前を呼ばれ、孝治は振り返る。
 息を切らしながら孝治の元に走ってきたのは、同じクラスの女子が二人だった。
「君らは…」
話した事は数える程しかないという様な、文字通り顔見知り程度の二人である。
「大変なのよ!」
「へ?」
女子の一人がひどく焦った顔で言う。
 孝治がわけもわからず呆然としていると、もう一人の方の女子が決定的な言葉を出す。
「咲子が大変なのっ!」
「えっ!?」
 その一言に孝治の顔色が変わる。
 呆然としていた間の抜けた面影は一瞬にして消え去った。
「咲子がどうかしたの?」
 孝治は身を乗り出す。
「私達も今携帯で聞いただけなんだけど…」
「とにかく一緒に学校に来てよ!」
 二人の女子もかなり落ち着きが無い様子だ。
 確か彼女らは咲子の仲の良い友人達だったのを孝治はこの時思い出す。
 二人とも咲子の事を心配しているのだろう。
 説明する時間も惜しいと言った雰囲気だった。
「わかった」
 孝治は言われるがままに頷く。 
 咲子に何があったのか気になって仕方が無いが、どの道行ってこの目で確かめなければ詳しい事はわからない。
 この二人の焦り様からするとよほどの事があったのかも知れない。
 暴れ出す心中を必死で抑えながら、孝治は二人の女子の後に付いて学校へと走って行った。

-2-

 中学校の保健室に駆け込むと、孝治と二人の女子は落ち着かない挙動で室内を見渡す。
 何の変化も無いいつも通りの保健室―。
 とりあえず視界に入る場所に咲子の姿は無い様だ。
「あら、どうしたの?」
 奥で椅子に座っていた保健の水谷花子先生がこちらに気付く。
 白髪一色の髪に白衣を纏った、上から下まで白一色の五十歳くらいのおばちゃんだ。
「すいません、天木さんは…」
 孝治の後にいた二人の女子の内の一人が少し丁寧な口調で問いかける。
「ああ、天木さんね…」
 水谷先生はなるほど、と言わんばかりに頷く。
 心の中でそうじゃないか、と思っていた事が現実になった時の様な表情だ。
「こっちにいらっしゃい」
 水谷先生に連れられ、三人は保健室の窓際のベットの並ぶ方へ歩いていく。
 三つあるベッドの内一つはカーテンで囲まれて中が見えない様になっていた。
 それを見た時点でそこに咲子がいるという事は三人にも容易に想像できた。
 案の定、水谷先生の足はその仕切られたベッドの方へと向かって行く。
そして先頭を歩く水谷先生がそのカーテンを少しだけ開き、顔を中に入れる。
「天木さん、お友達よ…」
 水谷先生が中に話しかけると、カーテンの向こうから咲子が返答して何かを言っている声が微かに聞こえた。何を言っているのかまでは聞こえない。
「いいわよ、入って」
 咲子との軽いやりとりを終え、水谷先生は三人の方に向き直る。
水谷先生から面会の許可がおりると、三人の中で一番先頭にいた孝治がカーテンをゆっくり開き中に入る。   
そして…

「咲子…」
 孝治は咲子の姿を見て固まる。
 咲子はベッドに腰掛けていた。
 いつも通りの茶色のショートの髪。しかし、いつもと違って見えるのは、その額に真っ白い包帯が巻かれているせいだ。
 そしていつも着ている見慣れた夏服の制服。これに至っては完全におかしかった。ブラウスからスカートまで泥だらけ。茶色い染みで埋めつくされていた。
 一体咲子の身に何があったと言うのだろうか…?
 その姿を見た孝治の顔は驚きと心配の表情でいっぱいになった。
「孝治…?」
 咲子も孝治の姿を見て固まった。
 考えてもみればお互い会うのは一ヶ月半ぶり、夏休み前に喧嘩別れして以来だったのだからぎこちなさがあるのも当然だ。
 咲子はその瞬間に孝治に話す言葉が出てこなかった。
「咲子―っ!?」
「咲子、大丈夫!?」
 そうこうしている内に孝治の後から二人の女子が飛び込んできた。
 二人は孝治の事など押しのけて、一気に咲子の座るベッドに接近する。
「あれ、小枝子に由美?」
 咲子は突然飛び込んできた二人の友人の名を呼ぶ。
「きゃあっ、何何その格好は〜っ!?」
 二人の咲子の友人の内の一人、やけに騒がしいポニーテールの武田由美は咲子の泥だらけの制服と頭の包帯を見て、悲鳴にも近い声を上げる。
「咲子、一体何があったって言うの!?」
肩までかかるストーレートな髪に眼鏡をかけたもう一人の友人、由美よりは大分落ち着いていて知的な雰囲気の鈴木小枝子も咲子に迫る。
「え…えと…」
 咲子は一気に二人に迫られて困り顔。何から話せば良いのかわからず、苦笑いをして見せた。

「ちょっとあなた達、ここは保健実よ。静かにしなさい!」

 次の瞬間後から水谷先生の怒鳴り声がミサイルのように飛んできて、カーテンの中の四人を一気に静まらせる。ちなみに、今の水谷先生の声が今までで一番うるさかった。
 とりあえず三人は落ち着いて咲子に事のいきさつを聞こうと、それぞれ一つずつ椅子を借りてきて早紀子のベッドを囲むように座った。


-3-

「路上でいきなり突き飛ばされたですって!?」
 小枝子は驚いて思わず声を上げる。
「うん…」
 咲子は小さく頷く。
 カーテンで仕切られた狭い空間の中に一瞬緊迫した空気が流れた。
 うつむき加減の咲子、それを囲む様に座り唖然とした表情の孝治、小枝子、由美。
「三丁目の曲がり角でいきなり突き飛ばされて、その勢いで電柱に思い切り頭をぶつけて気絶したの…。相手の顔も見えない内に…」
 咲子がゆっくりと語る。
 その声はいつもの気丈な咲子とは別人のように弱々しい。時々頭の傷が痛むらしく、表情を歪めるのが酷く痛々しく見えた。
「でも何で、何で!?何で咲子がそんな事されなきゃならないの!?」
 興奮気味の由美が言う。
「多分…どろぼうだと思う」
 咲子が答える。
「どろぼう?」
 声を揃えて聞き返す三人。
 三人にとって「どろぼう」という言葉は衝撃的だった。
「しばらくして目が覚めたら私のカバンの中から財布と夏休みの宿題が失くなってたの」
 咲子の表情は話が進む毎に沈んでいく。
 財布と夏休みの宿題…どちらも咲子にとっては大事な物。
 こんな怪我までさせられた上にそれらを盗られたのだから、思い出せば気分が良くないのは当然だ。
「財布はわかるけど…」
「なんで夏休みの宿題が…?」
 由美と小枝子は顔を見合わせて二人で不思議そうな表情をする。 
「夏休みの…何の宿題?」
 しばらく言葉を慎んでいた孝治が何気なく口を挟む。
「えと…英語の教科書の和訳…だけ、かな」
 咲子は何故か少し慌てた様に答える。 
 孝治に対してはまだ少し喧嘩別れの後ろめたさが残っているせいか、孝治の顔を直視出来ない自分がいる事に咲子は気付いていた。
「え〜?英語だけって…犯人はたかがノート一冊盗む為だけに咲子をこんな目にあわせたって言うのーっ!?」
 由美は相変わらず興奮したまま。言葉には憤りがこもっている。
 由美は感情が表に出やすいタイプなのだ。
「いや、むしろ財布の方が目的だったんじゃなくって?」
 由美とは逆に小枝子は冷静に意見を言う。
 小枝子は何事も冷静に物事を分析するタイプの人間なのだ。
 慌て者の由美と冷静家の小枝子。この二人は足して二で割って丁度良いコンビなのだ。
「でもあんまりお金入って無かったよ」
 咲子は少し照れくさそうに言う。
「いやいやいや、そういう問題じゃ無いから…」
 咲子の両サイドからの由美と小枝子のダブル突っ込み。
 咲子も今のは場を和まそうと冗談半分で言ってみたらしく、舌を出してごまかした。

「あのさ…」
ふと、腕を組んで黙り込んでいた孝治が言葉をもらす。
 その口調がひどく真剣なものの様に思えたので、三人は一斉に孝治の方に視線を向けた。
「あの英語の和訳の宿題って確かうちのクラスでしか出されなかったよな…?」
 と、孝治。
「うん…確かね」
 由美が頷く。
「…あ!」 
 と、突然小枝子が何かに気が付いて、突発的な声を上げる。
「そうか、私達のクラスでしか出されなかった英語の宿題がピンポイントで盗まれているのよね。という事は犯人は…」
 言いかけて間を持った小枝子。その間に咲子が入り込む。
「うちのクラスの生徒って事!?」 
「ええ〜っ!?」
 由美が大げさに驚く。
 その声のあまりの大きさに、水谷先生の眼光がこっちに向いたような気がして孝治はドキッとした。
「あ、あくまで可能性の問題なんだけど…」
 孝治は苦笑い交じりで頼りなく言った。
 とりあえず言ってみただけなのにこの女達がここまで騒ぎ出すとは思わなかったのでちょっと困ってしまったのだ。
「いや、有り得るよ〜っ!咲子はうちのクラスの中でも成績トップだし!」
 と、興奮全開の由美。
「あの和訳の宿題は特に難しかったから、バカな男子達なんか喉から手が出るほど咲子の答えを欲しがるんじゃないかしらね」
 冷静に語りつつもどこか不気味な薄笑いを浮かべていたのは小枝子。
もはや消すに消せない火がついてしまったらしく、由美と小枝子は完全に探偵気分に浸っていた。
二人だけの世界に入り、あーだこーだと騒ぎ散らす。
 駄目だこりゃ、と言わんばかりに孝治はそれを止めるのを諦めた。
 数分後に頭に角をつけた水谷先生が怒鳴り込んでくる姿が目に浮かぶ様だ。

「そういえばさ…」
 ふと孝治が思い出す。
「え?」
 咲子は孝治のその視線に気付き反射的に向き直る。
「お前さ、突き飛ばされて気失ってただけなのに何でそんなに泥だらけなの?」
 孝治が疑問を投げる。
 確かに不自然だった。
 外は三十度を越える晴天で、空気はカラカラに乾燥している。
 こんな日に路上のアスファルトの上に倒れたくらいでここまで服に泥が付くとは考えにくい。
「あ!そう、それなのよ!」
 孝治の質問がきっかけで咲子も何かを思い出したらしく、その瞬間だけ声のトーンが上がった。
「え?」 
「へ?」
そしてその声を聞いて小枝子と由美も二人だけの世界を抜けて、咲子の話に耳を傾ける。
「私、確かに三丁目の角で突き飛ばされて気絶したはずなのに、数分後に気が付いた時には何故かその近くの工事現場の中に倒れてたのよ」
「ええっ!?」
 三人は意表を付かれる。
「気が付いたら…」
「工事現場に…?」
 小枝子と由美は互いに顔を見合わせる。
 これはまさしく怪奇現象である。
「工事現場って、あの角の近くでやってた水道管の工事の事?」
 孝治もすっかり目を丸くしているがとりあえず咲子に質問する。
「うん、そう」
 咲子はしっかりとうなづく。
「それでそんなに泥だらけなのかぁ…」
 由美はとりあえず納得しながら再度確認する様に咲子の制服を眺めた。
 水道工事の現場なら常に水と泥が付き物だから、おそらく咲子の制服に付いているのもその泥なのであろう。
「でもさ、気を失ってる間に自分で移動出来るわけないし…、じゃあ犯人が咲子を工事現場まで運んだって事かしら?」
 小枝子はますます謎が深まってしまい、腕を組んで考えている。
「そう…なるよね」
 咲子の返答。
 一瞬考えてみたが、やはりそれ以外は考えられない。
「でも何の為に?」
 立て続けに小枝子が質問する。
 が、今度の質問には誰も答えられず、その場にいる全員が沈黙に陥った。

 キーン コーン カーン

 沈黙を切り裂く様に、校舎全体に予鈴のチャイムが響き渡る。
「ああ、もうこんな時間か」
 孝治がその音に思わず腕時計を見る。
 時刻は八時二十五分。
 ちなみに孝治の急ぎ目の腕時計の針は二十七分を指していた。
「うしっ、そろそろ教室行くかぁ」
 由美が椅子から立ち上がり、体を大きく伸ばす。
「あ、そうだわ」
 ふと小枝子が思い出した様に自分の足元に置いていた鞄に手を突っ込む。
 そして、一冊の小説を取り出す。
「はい、咲子。ただ保健室にいても暇よね?これでも読んで暇つぶしてるといいわ」
「あ、ありがと」
 差し出された小説を咲子はありがたく受け取る。
 読書少女の小枝子は普段から小説を二・三冊は持ち歩いているらしく、鞄は少し大きめの物を使っている。

 さすがだなと感心したのも束の間、咲子はその本のタイトルを見て驚愕した。

『黒魔術の使い方』
 …。
 小枝子の趣味がわからない…。
 咲子は思わず目を白黒させた。
「あ、じゃあ私もーっ」
 負けるもんか、と言わんばかりに由美は制服のスカートのポケットに手を突っ込む。
「はい咲子、これあげるね♪」
「…」
 咲子が由美から元気よく手渡しされたのは包み紙に包まれた『一口チョコ』だった。
それも三つも。
 しかも外の暑さで一度溶けて保健室の冷房で再び固まったらしく、明らかに形が変だ。
「あ、ありがと由美…」
 苦笑いしながら咲子は由美が極度の甘党だった事を思い出す。
 食いしん坊の上に甘党の由美がいつもポケットにチョコレートを二・三個入れて持ち歩いているらしいという事はクラスの女子の中でも有名である。
「あ、じゃあ俺達行くな」
 女同士のやりとりを気まずそうに遮り、孝治は咲子に言う。
「あ、うん。みんなありがとね」
 咲子は三人に笑顔を見せる。
「ええ、じゃあお大事に。ちゃんと寝ていないと駄目よ?」
 小枝子は咲子に小さく手を振ると、カーテンの仕切りの外に出て行く。
「じゃーね、咲子。あ、そうそう。頭の怪我がガンガンする様なら私に言ってね?昼休みに氷枕でも借りてきてあげるから」
 由美も咲子に元気良く手を振るとカーテンの外に出て行った
「じゃあ俺も…」
 孝治は前の二人と違って控え目にそれだけ言うと、いそいそとカーテンの外に出ようとする。
 が、カーテンに手を掛けた所で突然立ち止まった。
「咲子…」
 孝治は咲子の方を向かないまま話す。
「え?」
 少し驚く咲子。
「帰りに迎えに来るから…」
「…うん」
 互いに少し照れくさそうに目を合わせないままのやりとり。
 それだけ言い終えると孝治もカーテンの外へと出て行った。
 




[ 後編に続く ]