「リレーの選手」




クラスで一番足が速かった 他にとりえはなかったけれど
何も考えずにただ走っていた 前だけを見つめてどこまでも

いつの間にか 差し掛かってた
大きく緩やかなカーブ
隣もその隣も 誰もが必死だ
負けるわけにはいかないから

何かが変わった? いや あの頃のままだ
そう思いたいだけ? ただの自己満足だ
いつの間にか 走ってきた道のどこかで
バトンを落として来たのかも知れない

どんどん 皆が遠ざかる
どんどん 差をつけられてく

色んな人の背中を見送る
気付けば周りの景色が変わる

ここで終わろう 終わりにしよう 諦ようともしたけれど
僕のバトンを待っている たった一人の人が居てくれたから

まだまだ終わらない 勝負は終わらない
今日も僕は走り続ける

いつか僕の全てを受け継ぐ たった一つの生命が 光が 
新しい走者が 手を差し伸べてくれるまで

僕のリレーは終わらない