082 "メイク"


 めかして ばかす

 それが心のありようなのだから

 素顔の人間など 居はしないのだ


 醜い体を偽り

 歪んだ心を隠し

 崩れかけた己を形作る

 それが悪魔の所業でなくて

 何だというのだろう


 そして その所業の全てが

 人格という名の

 いくつもの仮面を作る工程に似ていることは

 おそらく 偶然ではないのだろう



 人は 化粧をする

 己のために

 そして 目の前の 愛すべき人たちのために