208 "自分の死んだ後"



 やめとけやめとけ

 そんなもの気にしだしたら

 なんでもかんでも気になって

 しまいにゃ世界を救う羽目になっちまうぞ


 そんなことを言っていた ジジイが

 きっちり遺書を残して死んだ時

 ジジイはちゃんと世界と戦っていたのだと知った


 結局は それらは全て想像の域をでないのだけれども

 自分のいない 微笑ましい世界を

 心の隅に 幾許かの寂しさを抱えながら

 いかに 涙なしで作り上げるのか



 私もまた あのジジイと同じ年になったなら

 曲がりなりにも この世界と戦えていたのかを

 自らに問うとしよう