285 まなざし


 何も知らないくせに

 未来なんて 大人なんて

 そんなに 誇れるものじゃないのに


 私がかつて 一度転んで諦めた坂を

 あなたは 戸惑いながら

 それでも 瞳を輝かせて

 昇ってゆく


 同じことを学んでも

 誰もが 同じ道をたどれない 不思議


 私はいつから

 あなたのまなざしを 眩しいと

 思える大人に なってしまったのだろうか