291 "タイムカプセル"



 久しぶりに掃除した 部屋の隅から 見つかった

 もう二度と同じ形で 私の中にはまらない

 思い出の数々


 自分の中から毀れていったものなのに

 いつ欠けて いつその隙間を 別の何かが埋めたのか


 自分のことなのに

 分からないのが 少し悲しくて 愛しくもある



 元あった場所すら 思い出せない

 欠片を拾い上げて

 引き出しの中にそっとしまいこむ



 光を受けて 乱反射する万華鏡

  今の私には 眩しすぎる 鮮やかな季節の思い出