「あ、タクミ?おっひさー」
「おー、エミじゃん、久しぶりー。どしたの?」
「突然だけど、来週の土曜ヒマ?」
「え、別に平気だけど?すげぇ奇遇だなー、今さ、トウタと一緒にいんだよねー。覚えてる?」
「え、トウタって、あの"千枚通し"のトウタ?」
「そう、あのトウタ。懐かしいっしょ?」
「うっそマジで?すげーなつかしー」
「なに、エミって今何してんの?」
「大学の授業中。ホンットセンセーうぜーしワケワカンナイんだけど、単位危なくてさー」
「そっかー、それじゃこっち来くればなんて言えないなぁ。元気してんの?」
「元気だよ。そっちこそ、最近顔出さないからどうしたのかと思ったよ」
「うんうん。お互い元気なのはいいことだぜ。なんつってなー」
「それでさ、らいしゅ……なん………」
「え、なに?」
「もしも………けー………………もしもーし」
「………おう、なんか大変なことになってんな」
「あーもー、なんでココはこう電波悪いかな、スゲームカツクよー」
「そんな悪いのか?」
「大学の中ほとんど通じねーの。ホントツカエネー」
「そこまでかよ………」
「で、来週の……うわっ、なにすんだよ、放せよっバカ!」
「…………エミ」
「センコー、うぜーんだよ!放せっての」
「………」
「タクミ!また電話するから!」
「分かった、じゃあな」
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