「四丁目の喫茶店」
著者:蓮夜崎凪音(にゃぎー)



「あ、もしもし。ケイタ?」

「ああ、なんだ、姉さんか………なに?」

「あのさ………今、ちょっとだけ、時間ある?」

「うん、今講義全部終わったとこだし。大丈夫だけど」

「え、そうなの?」

「水曜は二限しかないから楽なんだよ」

「へー………」

「………あれ?もしかしてアネキ、今、外にいんの?」

「友達とお茶、してる途中」

「………かぁー、こんなクソ暑い中よく外出られるな。熱中症になるぜ?」

「今のところなんとか平気だよ」

「体弱いんだから無理すんなよ、まったく」

「ケイタ」

「ん?」

「さっきのメール、見てくれた?」

「ああ、牛乳?帰りに買えばいいんだろ?」

「うん」

「そういやこの前の牛乳は、飲みきらないうちにダメになったな」

「もうちょっと早ければ、って言ってたね」

「たまに冷蔵庫も、機能してないんじゃないかってくらいぬるいこともあるしな」

「確かに最近あんまり、調子は良くなかったかも………」

「夏終わるまで保てばいいけどな………父さん辺りに打診しといたほうがいいかな」

「夏が終わって涼しくなれば………しばらくは凌げると思うけど」

「そうだね。とりあえず、牛乳の件、了解しました」

「ごめんね、それだけ、お願い………それじゃあね」

「ういーッス」




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