「赤いマフラー」




ふいにふわり 僕の隣で
暖かな円を描き 離れて行った


天気予報を裏切った 粉雪は寂しく
踏み切りを越えた辺り 時間を止めた

目が合った瞬間に 触れ合った瞬間に
あの日の綺麗な記憶 白く光って消えた

街角 ビル 昼下がり 何も変わりないけど
ここにいる二人は もう一度あの場所へ 戻ろうとしている


優しい炎 赤い炎 包み込まれた肩に
静かに残る 温もりと 香水の香り

微かに揺れる 長い髪 風に舞う雪 
涙の様で 輝いて とても綺麗だね



ふいにふわり 僕の隣で
暖かな円を描き 離れて行った

僕の首に残るマフラー 君の温もり

いつまでもここに