「横浜」



 揺れ動く光 街を照らす
 いくつもの色に 染められて
 仲間達の笑い声は あの頃と変わらない

 心地良く揺れる 景色と体
 まるで広い海と共鳴してる様に
 小説を開いたままで 寝過ごす
 いつも通り変わらない緑の電車

 待ち合わせ少し遅れたのに
 まだ誰も来ていなかった
 ひとり ふたり 近付いてくる
 悪びれる様子もなく

 橋を渡り あの電気屋 今日も人々が溢れてる
 いつものファミレス 窓際の席 ドリンクバー

 揺れ動く光 街を照らす
 眠らない街に 夜が来る
 それぞれの夢を語る あの頃のままの瞳で

 辛く厳しい日々と 仕事話
 珈琲をすすり 口々に
 時を忘れた少年 今が続けば良いのに

 飲み屋街の カラオケ屋 自然と流されていく
 ここに来るのは もう何度目 何年経ったかな

 揺れ動く光 街を照らす
 最上階の店 この夜に
 激辛料理とチャイに 懐かしさを覚える


 尽きる事のない愚痴 港に置き去って
 明日へとまた歩き出そう 大好きなこの街


 じゃあな と言って背を向けた
 少し疲れた足取りで
 来月も会おうだなんて 約束は交わさずに
 地下鉄へ歩き出す