「間違い探し」



傾いた西日が作る世界は 斜めだから
午後の町並みはいつも非対称

今日も 寄り道喫茶の古びたガラス窓から
通り過ぎる人の波を嘲笑う


比較とは同列があってこそ 活きるもの
この世には 同じものなんて滅多にはない
だから 私には私と比べるものがない
涙を流して叫んでも 振り返るのは無関心の群集
それが良くても悪くても


午後の町並みが 終わる
夕暮れが夜をつれてくる
私は答えを 見つけられずに立ち上がる

どれか本当なのかを分からずに
今日も 自分の人生はどこが間違っていたのかなんて
探している
それこそが 間違いなのだと知っていても

今日は 今日の間違いを引きずったまま
静かに歪んでいく
それこそが 間違いなのだと知っていても