「時を覆うシダ」



  日が堕ちてゆくのを ぼんやり見つめてた
  暗くなるこの世界が どこか心地良く思えた
 
  どうせならこのまま 朝が来なければと
  窓の外かざした右手の 缶珈琲に吐き捨てた
 
  行く先を照らす光を 閉ざすこの果てしない闇を
  人が『終わり』と 名付けたのなら 
  今すぐにでも この瞬間から
  『終わり』が始まれば良いのに
 
  ココロに渦巻く キモチを解き放ち
  大きなシダに変えられたら
 
  たくさんの葉が 成長してゆき
  やがて世界を覆いつくすだろう
 
 
  時の流れは 行き先をなくし
  どこへ向うのだろう
 
  ミンナ宛も無く 迷走している
  それが人間