「不幸中の幸い」



 私は ただ風の音を聞く

 時は移ろい 流れてゆく 中に

 乾いた鈴の 泣き声のような その音を

 常に 確かに 聞く

 我ら 人は 死して


  穢れた土となり

  腐った海へ戻り

  汚れた空へ還る


 嗚呼 我ら人は死して尚

 苦しまねば ならない未来を

 確かに 約束されているのだ