「影の上」



 冬の柔らかい日差しに 歩み行く

 我が影の 透け行く様を見る


 街灯の 強い灯に 掻き消され

 ともすれば 風に消え入りそうなほど

 我が影にして なんと哀れなことか


 近頃では そんな 薄紙のような影にさえ

 暗闇の淵で 密かに嗤われている

 朽ちかけたこの腕の なんと細きことか


 そうして 私は

 冬の柔らかい日差しに 歩み行く

 我が身の 翳り行く様を知る