「のこりもの」



ドアの閉まる音 後の静けさ
あんなに騒がしかった時間は 何処へ行ったの
不思議とぶらり 両手が垂れる
体中からチカラとココロが 抜けていくみたい

小さかった頃 あの日
忘れられない母の背中にどこか似ていた
もどかしくなって 耐えられなくて
ただ走り出してくこの気持ちだけ

君は何所に 僕は何所に
行き着く時はいつだろう
桜の花びら 踏みしめたら
歩いてきた道の輝きも つぶれた

鍋の中 まだ少しだけ
君が作った肉じゃがは
あたたかさはなく 冷えきってる
一口放ってまた 涙 

やがて 日は落ちて
やがて 僕は落ちて

暗い部屋にただ残されたのは
僕とココロと肉じゃが