「にげられない」



逃げられない

桜が咲いた 新しい生活はじまる
やっと逃げられると思った

たくさんの箱 新しい部屋を見渡して
やっと逃げられると思った

慣れない料理 全然美味しくなかったけど
やっと逃げられると思った

時が過ぎて 季節が変わり 髪に絡む花びらが今は少し寂しい
燃えていた気持ち 今は静かな冬景色 月の明かりを見上げたら

やっぱり逃げられなかった


梅雨が来る頃 新しい傘初めてさし
やっと逃げられると思った

満月の夜 一人きりで見上げてビール
やっと逃げられると思った

あの日と同じ 空港に行き 展望デッキに立ち尽くし空見上げた
きっと飛べるよ どこまでも飛べる 自由なココロ広がるけど

やっぱり逃げられなかった


一年が過ぎ
やっと逃げられると思ってた

でも