「砂楼の上に」



 「加減」と「節度」は いつ

 この国の広辞苑から消えるのだろうか

 あと何年経てば 国語辞典は

 片仮名だけで構成されるのだろうか


 それとも

 そういうのは この国が滅びてからなんだろうか



 いつか私が老いて 若者に邪魔だと足蹴にされる時

 助けを求める 私の言葉は 果たして

 彼らに通じるのだろうかと

 そんなくだらないことを ただ

 遠い空に 思うのだ